matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

海賊の掟


海賊の掟 (新潮新書)

海賊の掟 (新潮新書)

海賊というと昔の話って感じですが、この本は、最初にマラッカ海峡の実話ではじまります。この著者は、何故かヒジョウニ詳しいのは、何故なんだろうかと思ったら、日本財団の職員なんですね。海運業界に詳しいわけである。
現代の海賊事情も興味深いが、日本の海賊の歴史の概要も興味深く読めた。
村上水軍は瀬戸内海に海上の関を作り、そこで通行料を徴収していたわけだが、考えてみれば、地上でも関所があり、同じことを室町幕府自身がおこなっていたわけであるから、「賊」と変わらない。無法地帯と化し治安が悪化するよりは、治安維持されたほうが経済活動が活発化する。もちろん、関所がなくなり、さらに治安が確保されれば、さらに活発化するのは、信長の楽市楽座、秀吉の海賊停止令後を見れば明らかだが。