matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

日本のもの造り哲学

日本のもの造り哲学

日本のもの造り哲学

失われた10年以降、日本の将来悲観論がはびこり、バブル期のジャパンアズNo.1といわれていたことも忘れがちの今日この頃。製造業における日本企業のこれからのあるべき姿をしめしている書。

勝ち組と負け組が声高に言われているが、やはり知名度の高い企業だけでマスコミに取り上げられる企業のみで印象づけれているが、けっしてそうではないことに気づかされ、本当の本質が必ずしも示されているわけではないことにも気づかされる。

日本のもの造りの能力は決して衰えているわけではなく、中国・韓国などの新興国に負けているわけでもないようだ。中国の現状は、日本の位置付けとは大きく異なり、アメリカとの戦略も異なる。

自信過剰になる必要はないのだが、間違った脅威論とあるべき論とは、一線を画す必要を感じさせる。

いまの、石油高についても、ワイドショーでは、石油に依存している危うさを強調しているが、本当なんだろうか。
アナリストの中には、石油が1バーレル140ドルにならなければ、オイルショックなみの影響はないという。というのは、当時からのエネルギー効率が倍増し、エネルギーとしての石油依存度が大きく減少しているからだという。現在の発電における石油依存率は1割前後だそうだ。現在の発電は、原子力もあり、大きく増加しているのは天然ガスであり、こと電力については、石油は少数派になっているといえる。いま、石油でなければいけないのは、自動車などの燃料としての需要と、素材原料としての需要である。ハイブリッドなどで、極端な話、10-20%の効率が上がれば、中国の需要分などまかなえそうな気もする。問題は技術や埋蔵量などのもんだいではなく、政治的な問題であろう。石油は政治/社会的に不安定な地域に多く産出されているという現状だ。いわゆる最近の石油高は、投機市場での思惑が原因のようだ。