matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

読書:DNAから見た日本人

DNAから見た日本人 (ちくま新書)

DNAから見た日本人 (ちくま新書)

DNAからみた歴史というのが、新鮮です。
日本人や人類の古代にいたる。その鍵が自分自身の体内にあるDNA。
過去、言語、骨、習慣や伝承などから、人類や民族の起源をさぐってきたのだが、DNAからみるとあっさりくつがえされるのも興味深い

  • 人類の起源は

現在の人類は、ネアンデールタールなどの旧人を駆逐したホモサピエンスなんだが、旧人も新人もどちらもアフリカが起源であり、それも出アフリカ(著者の表現)
著者の記述によれば、現人類の起源は13万年前。いままでの遺跡や残されたものから把握できる有史は、せいぜい1万年ぐらいではないだろうか。しかし、DNAを使用すると仮説とはいえ、起源までせまれる可能性を感じさせる。

  • 遺伝は必然か

DNAというと、非常にプライベートで個人的な問題にとられがちになる。DNAからみると近似性のある対象として肉親、地域間、民族間での広がりがあり、「日本人は」から「XX家」というくくりは実は、些少な違い。DNAの情報は数多く、その組み合わせは、異なる2組のDNAの組み合わせが重なり、それに突然変異が加わる。
どうみても、文化的違いのほうが大きい。
著者は、遺伝的均質化と文化的等質化がすすむと結論?づけしている。これはDNAからみた民族学者(いまは、文化人類学者)としての意見として面白い。
人は、必死にひととの違いをみつけたがり、それが自分のアイデンテイを確立するには必要な本能的なサガかもしれない。