CO2削減≠石油?
今や、カーボンオフが時代の寵児。
しかし、石油の消費が諸悪の根源なのだろうか。
エネルギー源としての石油への以降は、自然を守ってきたといったら言いすぎだろうか。かつて黄河文明の地は杜だったが、時代が経るにつれ木は無くなり海外から輸入するようになってしまっている。農業と牧畜の生産の増加もその要因だが、製鉄と製陶が大量の薪燃料として燃やし続けた結果であろう。石油への依存の結果、日本の林業は衰退し、森は放置されうっそうとしている。
- 作者: 山根一眞
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 単行本
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「鉄」に対するルポタージュだが、この本を読んで意外だったのは
- 廃プラスチックの最大の活用先が製鉄業
- CO2の巨大な排出元が製鉄
リサイクルのルポ番組などを見ていると、リサイクル事業に製鉄会社の関連会社が多かったような印象が以前からあったのだが、その理由が納得できたような。
CO2削減が、石油の消費量削減のみに関心が集中しているが、それがエコロジとは必ずしも直結しないはずだ。石油の代わり石炭を使用すれば、さらにCO2の排出量が増加する。原子力発電はCO2削減効果が高いが核廃棄物という実は最大の環境破壊要因を増大させている。
現時点で石油に依存している率が高いほうが、この膨大な人口を維持し環境を守るためには有効なのかもしれない。そしてその消費を最適化していくことが最大のエコロジーではないだろうか。