我々は価値を買い、価格は取引で決まる
値段というのは、どう決まるのか。
- 作者: 吉本佳生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: 単行本
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この本を読むと、考えさせられる事が多い。
工業的にいえば、製品は製造原価に利益を加えたものであるが、基本は需要と供給の相関関係で決定される。単純にいえば、買いたい人がいて、そのひとの買える価格範囲であればよいのだが、売りたい人からすれば、買ってくれるひとのなかで一番高価に売りたいわけだ。
ここで、重要なのは、顧客側がなんの価値を求めているかになる。
この本の例であるスタバのコーヒーにおいて顧客が割高のコーヒーであるスタバで買うのは、コーヒー本体だけではなく、自分でコーヒーを入れる手間や技術やエスプレッソなど特殊な機器が必要な設備投資しなくてもすむなどを買っているわけです。
コストカットや、原価費用を削減するということが、全体価格のなかでその顧客の求める価値を減少させることなく実現しなければならない。飲食業において原料費をより低品質にすることによってコスト削減することの危うさはここにある。
最近の伊勢のお土産の問題がある。
新たな事実が次々と明らかになり、あきれ返る限りであるが、実際に味などのクレームなどで明らかになったとも思えない。その意味では、最低限の品質管理をおこないながら偽装していたことになる。
あの餅菓子が、伊勢名物でなければ、あれほど売れてこなかっただろう。お客の求める価値はなっだったのだろうか。