matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

統計的に処理され、かぎりなく画一化されていく社会


天皇の日本史 (平凡社新書)

天皇の日本史 (平凡社新書)

世界史のなかでも、日本の天皇家の歴史の長さは異例だ。
古代より政権は数限りなく交代してきたが、天皇という存在を否定し成り代わろうとする物はでてきていない。
戦後、象徴として新憲法に定義されたのだが、その概念はシンボルという英語の翻訳にも関わらず、天皇の存在感を的確に表している。
GHQアメリカ人たちは、天皇という存在を日本人より直感的に感じたのかもしれない。その利用のしかたは、平安時代以降の歴代の政治勢力とおなじかもしれない。
日本人のシンボル好きは、全国の町々にある復元された城にも現れている。
ふるさと古城紀行 (ベスト新書)

ふるさと古城紀行 (ベスト新書)

城郭撮影では第1人者ということだが、撮影していると土地の人と仲良くなれる「徳」をもっているかのようだ。
それはともかく、もはやどこの地方にいっても、パチンコや塾やショッピングマートやコンビニ。画一的な景色になっている。復元された城さえ同じように見えてしまう。
インターネットの普及は、情報のフラット化を促進し、より画一化が進むだろう。そして、経済のグローバル化は、より規模の競争であり、経済や経営の系列化が進行している。それは、勤労形態さえ、フラット化しているかもしれない。
ナレッジワーカー (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)

ナレッジワーカー (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)

ナレッジワーカー。
産業構造の変化は、この本でいうナレッジワーカという職種の比率が高まっていくだろう。以前では、ブルーカラーとホワイトカラーと大別されていたが、ホワイトカラーが所謂事務職と分類されていたのだが、ナレッジワーカーとは、知識を生産しているグレーカラーかもしれない。
生産ラインや、事務処理の反復作業や習熟度の向上より、臨機応変さや決断の素早さがより要求されるのが、ナレッジワーカーの特徴だと思える。
決断するには、データの把握と傾向を見定める能力が要求されることでもある。物事を説明し仮説を検証する手段として、統計=データが利用される。
ビジネスにおいて、他人を説得するには数字がもっとも有効だ。
昨今の年金問題で、野党は状況を理解するために数字での明確化を迫り、与党は、なんとか数字的な状況を説明しないように抵抗しているかのようだ。
我々は、説明に使用されるデータを、様々な見方をしていかなければならない。