matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

権力の二重構造


制度的にも役職的にも権力の頂点でありながら、実際の権力者が異なる場合がある。

うーん、後継者を育てるという体制と、表舞台から退いてもなお権力を手放さないケースに大別されるような。時代の大きな分岐点において新体制を築いたリーダがその新たな体制を維持せんと、余力のある時点で後継者を指名しておく。しかしながら、権力を維持しようという目的で、後継者を指名するという人権権を行使できる構造を保持する。

院政―もうひとつの天皇制 (中公新書)

院政―もうひとつの天皇制 (中公新書)

院政とは譲位した上皇による執政の形だが、自分の直系に譲位することによって権力を維持するという、外戚による干渉の排除が目的なのだろうが、天皇という日本特有の祭政の形もあろう。天皇というのは、ケガレを嫌う奉られる存在であり、公的な存在であるが故に私的な所有を許されない存在なのかもしれない。荘園という経済基盤の所有は、天皇ではない必要があったのではないかとも思えるがどうだろうか。
組織のマネージャーとして要求される事に、後継者の育成がある。常に自分の代わりになりえる人材を育成していくことだ。しかしながら、それは自分の地位に取って代わりかねないことでもある。自分の管理している部門を後継者に引渡し、新たな分野に取り組めるということにもつながる。現状維持ではなく、常に成長を目指すのであれば、後継者育成を重要なことだ。