matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

[人口減少]「予想より早かった転機の訪れ」

12月23日付・読売社説(1)

 とうとう日本の人口は、ピークを越えて下り坂に入った。
 日本史の年表には、「2005年、人口の自然減が始まる」と記されるだろう。推計の段階ではあるが、予想より早く訪れた転機である。
 厚生労働省が公表した「人口動態統計の年間推計」によると、国内の日本人は今年1年間に、106万7000人生まれる一方で、107万7000人が亡くなった。

オイルピークといい、曲がり角感が強い。

一人一人の生産性を高めながら、効率的な社会を構築していく必要がある意味では、人口が減少する社会というのは、資源を浪費型社会からの脱皮かもしれない。

セブンアンドアイが、西武百貨店やそごうを買収するというニュースは、スーパーがデパートを飲み込んだ形だが、実はスーパーという形態の見直しが迫られているという背景もありそうだ。スーパーというのは高度成長社会、大量消費型経済の申し子だ。安価なものを大量に販売することがスーパーという存在だ。
しかし、人口が減少していく形態では、大量という母数自体が減少していくわけだから、コストを下げるということのみでは、全体として売上が減少していくことになる。基本的には母数が減少している以上、客単価を上げるしかない。石油は需要が供給を上回るのがオイルピークだが、これは、結果として、原材料コストや物流コストが上昇することを意味しており、客単価を挙げてもコスト上昇分にしかならず、結果として、安価という魅力のなくなったスーパー自体の存在感は弱まる。
となると、いかに付加価値をつけて、新たな購買意欲を喚起するかにかかってくる。デパートの値段以外の価値を訴求する要素をスーパー勝ち組みだったイトーヨーカ堂が必要としているように見える。

わたしの住んでいる岐阜では、すでに私鉄資本系のデパート撤退が決まっており、中心部の繁華街は空洞化が進んでいる。ヤナガセ」の求心力は映画館と、老舗、デパートだった。グローバル化した今、以前の老舗はインポートのブランド物に変わり、結局、それらはすべて郊外のショッピングモールにかわってしまった。

今年は下流社会 

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

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 という本が売れた
下層社会ではなく、下流というところが造語なのだが、上昇志向のない階層の出現というマーケテイング的な視点である。バブルの時のように、高い収入を得て、ブランド物をひたすら欲しがる人ばかりではなくなった今、どう新しい消費者に対するのかという課題を提示しているのだろう。