matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

山内一豊と千代

山内一豊と千代―戦国武士の家族像 (岩波新書 新赤版 (974))

山内一豊と千代―戦国武士の家族像 (岩波新書 新赤版 (974))

うーん、最近、山内一豊と題名の本が増えてきて、ついつい手にとってしまう。出版社の大河ドラマをにらんでの販売戦略にうまうまとのっからされている。

山内氏が、首藤山内氏と本当に関連があるのかなという疑問は残るが、この本は、その首藤山内氏が、源平合戦の時から、鎌倉から戦国まで、どうやって一族を存続させてきたかというところが、山内一豊とは関係がないが、記述されていて興味深い。

あと気になってきたのは、豊臣秀次である。従来、殺生関白とか、長久手の戦いの際での敗戦などマイナスイメージで、秀吉の甥というだけでさしたる能力もなさそうなイメージでしたが、実態はどうだったんでしょうね。もし、秀次が、そのまま2代目となっていたら、徳川の世になったのだろうかという点も気になる。豊臣政権において、北政所を中心として尾張・美濃衆と、淀君を中心とした近江衆の内部闘争が、そもそもの原因であり、尾張派の秀次を近江派により排除されたのが、太閤亡き後、豊臣恩顧の大名が分裂した原因でもある。山内一豊は、秀次付の宿老でありながら、秀次処分のあと加増までされている。秀吉子飼いの御内家臣は秀次を誰も守ろうとしなかったところをみると、やはり人望もなく、それなりの人物だったのだろうか。