matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

探検は侵略のため

少年の頃、「ロビンソン・クルーソー」の本を読んで、素直に面白がって少年の心に探検と冒険心を掻きたけるものだった。
しかし、この小説は、実は大英帝国植民地主義のためだったとは。
詳しくは、下記本を。

黄金郷(エルドラド)伝説―スペインとイギリスの探険帝国主義 (中公新書)

黄金郷(エルドラド)伝説―スペインとイギリスの探険帝国主義 (中公新書)

なるほど。二十年以上孤独に耐えた主人公が助け出した現地人を彼がどうしたか(召使にした)を考えるとそのとうりだが、単なる人種的偏見に過ぎないと思っていたが、なんとギニアの植民地化をするための著作だったとは。
かのコロンブスも苦労のすえ、アメリカに到達し最初に現地人に会ったときに思ったのが、よい奴隷になるだろうということなどその時代は人身売買がごく普通の社会体制だったのだが。そういう日本も、戦国時代に戦に負けると捕獲された人間を売り払っていたのが、たとえば武田信玄の例などにも見える。
奴隷というと、人間が物あつかいであったのだが、代償を得る生活手段であった面もあったかもしれない。日本でも生前の小作農や丁稚奉公、職人の修行など、経済的には隷属した形態であったし、農村で娘が売春行為の担い手として、借金というかたちで束縛されていたことも隷属のひとつ。アメリカのアフリカ系の人たちは、アフリカで同じ民族のもとで集められ、そしてアメリカに「輸出」されていた。
ヨーロッパ人たちは富を求めてグローバル展開していった。

  • 真珠
  • 黄金
  • 香料

探検こそが土地領有の根源だったようだ。
そして、その後は、鉄鉱石などの鉱物資源、ゴム、茶やカカオなどの農産物をもとめた結果、食糧自給の仕組みさえ破壊している。
南アメリカのイギリスのギニアへの進出を食い止めたのは、アメリカのモンロー主義だった。南アメリカを守ろうとしたのではなく、アメリカの「シマ」を守った、まさしく「ヤクザ」論理だった。
いま、アジアの日本や中国などは、加工品の輸出で欧米にグロ−バル展開している。ビッグ3の危機的状況のなか、モンロー主義への回帰は起こらないのだろうか。